【真実】母と娘の長年の確執が少しずつ氷解

万引きで生計を立てて暮らす家族を中心に、貧しくも幸せな日常とあることを境にバラバラになっていく姿を描いた「万引き家族」で、カンヌ国際映画祭最高栄誉のパルムドールを受賞した監督の新たな作品は、映画界の至宝やアカデミー賞経験者など、世界的に著名なキャスト陣を迎えて製作された、初の国際共同制作作品。

国民的女優が出版した自伝に書かれた「嘘」によって、母と娘に渦巻く愛憎を描く。

あらすじ

世界中にその名を知られる、国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が、自伝本「真実」を出版

海外で脚本家として活躍している娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュ)、テレビ俳優として人気の娘婿、そのふたりの娘シャルロット(クレモンティーヌ・グルミエ)、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、彼女の公私にわたるすべてを把握する長年の秘書─。“出版祝い”を口実に、ファビエンヌを取り巻く“家族”が集まるが、全員の気がかりはただ一つ

「いったい彼女は何を綴ったのか?」そしてこの自伝に綴られた<嘘>と、綴られなかった<真実>が、次第に母と娘の間に隠された、愛憎うず巻く心の影を露わになっていきます。

見どころ

真実は家族をネタにした物語だったこと、その中で確かに存在する愛と憎しみ、大女優の家の裏が刑務所や、劇中劇との実生活とのリンク、紅茶を入れる所作や、庭の木の葉が落ちていくことで感じる時間の経過といったセリフ以外の演出の巧さ、など照明からカメラアングル、構図、話の複雑さに至るまで、どれも是枝色満載の映画でした。

また母と娘の渦巻く愛憎って部分と真実と嘘という部分から、どうしてもドロドロした家族劇寄りの内容になりそうですが、難しいところはあれど劇伴やほのかに灯る照明の妙もあって、ほっこりする部分が大半を占めており、心温まる作品になっています。

見た感想

母と娘の長年の確執が少しずつ氷解してゆく。一見すると母と娘はお互いさみしがり屋で不器用と共通点があり、両者はある意味似ていると言えます。リーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシュの感情に合わせた微妙な声のトーンの変化や仏語ならではの言葉のつなぎ方はとても印象的でした。字幕に抵抗がない方にはぜひ原語で聞いてほしいです。近年の是枝監督作品の中では、心が温かくなり好きになりました。

是枝監督のネームバリューで観に行く方も、そうではない方にも是非一度観ていただきたい作品です。




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