今回紹介するのは「THE UPSIDE 最強のふたり」です。フランスで2011年に公開され、その年の興行収入一位に輝いた最強のふたりをハリウッドでリメイクしたのが今作。
2011年、フランスで映画興行No.1を獲得し、ヨーロッパ各国、そして日本でも大ヒットを記録した 「最強のふたり」。ハリウッドでリメイクされた本作では、すべてが真逆のふたりのギャップに笑い、まさかの友情が涙を誘う感動ストーリーはそのままに、心温まるストーリーとなっています。
あらすじ
デル・スコット(ケヴィン・ハート)は身体障害者のフィリップ・ラカッセ(ブライアン・クリストン)の運転手です。乱暴な運転でデルは警官とカーチェイスになり、捕まって手錠をはめられます。しかし、彼はフィリップ(通称フィル)は発作で病院に行く途中だと嘘をつき、警官をうまく騙します。
(6ヶ月前のシーン)黒人男性のデルは逮捕歴があり、仮釈放のための求職表の書類にサインをもらうのと、仕事の面接のため多くの企業を訪れます。しかし、デルのだらしない姿と無礼な態度に多くの人は相手にしません。デルが最後に面接に訪れたのは、介護を求める大富豪で身体障害者フィルのオフィスでした。
ネクタイを締めた経歴の良さそうな候補者は、フィルとアシスタントのイヴォンヌ(ニコール・キッドマン)に学歴や経歴、熱意をアピールします。仕事内容もよくわからないデルは他の人の面接中に乱入し、イヴォンヌを慌てさせます。デルは「仮釈放の書類用のサインと仕事が欲しい」とぶっきらぼうな態度で話し始めます。呆れるイヴォンヌに対し、フィルは即座に採用を決定、「明日の朝、来てくれ」と言います。しかし、デルは仕事内容には興味を示さず、書類のサインのため明日来ることにします。
その夜、デルは離婚した妻と子供の汚いアパートを訪れます。子供のアンソニーは、父に興味を見せず、元妻からは明らかに迷惑がられ『出て行け』と言われます。
基本のストーリーは原作そのままに、新たな要素も追加

映画の公開から8年の時を経て、大ヒット作がついにハリウッドでリメイクされることになりました。
「身体が不自由な大富豪とスラム街出身の青年との交流」という基本のストーリーはそのままに、原作にはなかった新たな要素が加わっています。それは、映画のタイトルにもなっている人生の「UPSIDE」という部分で、物語のキーとなっています。
ハリウッド版リメイクである本作は、同じ物語を原作としながらも、今日的なテーマやニューヨークならではの社会事情などに合わせてアップデートされているので、前作を見たという方はもちろん、オリジナル版とはまた別の楽しみがあります。
まったく違う環境で生きてきた2人だからこそ面白い

前科のあるデルは、失業保険を得るために必要な書類目的で富豪であるフィリップの介護人応募の面接に訪れます。面接にきたデルですが、フィリップの秘書であるイヴォンヌに、いかにも教養がなさそうでガサツなデルを適任ではないと判断し、門前払いしようとします。
しかし、雇い主であるフィリップは、自身の周りにはいないタイプのデルに興味を持ち、雇うことになります。
言わずと知れた富豪で、不自由ない生活をしていたフィリップですが、日々の中でどこか息苦しさを感じていました。そんなとき、自分とは正反対なデルと接するうちに、心を開き、自らの秘密も明かしていきます。生きる世界が違うふたりが出会って友情を育む、シンプルだけれど、ほっこりする良いストーリーです。