今回紹介するのは「きみに読む物語」で1999年に公開されたメッセージ・イン・ア・ボトルなどで知られるニコラス・スパークスのベストセラーを映画化したのが今作で、全米でロングラン・ヒットを記録しました。
とある療養施設で暮らす初老の女性は記憶を失っていまいました。ある日、ひとりの男性が彼女を訪れて、ある物語を読んで聞かせます。その物語は、1940年代のアメリカ南部の町で良家の子女と地元の貧しい青年の間に生まれた純愛の物語でした。
あらすじ
物語は、1940年のアメリカ南部シーブルックが舞台。青年ノアは別荘にやってきた17歳のアリーに一目惚れ。強引にデートに誘い、映画を見て語り合った後、仲良くなり、2人は付き合うようになる。初めてノアの家を訪ねていくとテラスで詩[3]を読んでおり、これは物語全体に関わってくる。父親はやさしく、夜にもかかわらずパンケーキを勧める。ノアは、いつか買い取って農場を始めたい古い屋敷にアリーを連れて行くが、彼女の両親が探しているといわれ中断。その後も二人の仲は認められず、ひと夏の出来事が終わった。
大学生になったアリーに毎日手紙を出したが、戦争が始まり、ノアは徴兵される。アリーは裕福な弁護士ロンと婚約する。軍隊から戻ったノアが父親が買い取ってくれた古い屋敷の改造にいそしむ。結婚式を直前にしてアリーはけじめをつけるためにノアに会いに行く。連絡がなかったというアリーに365通出したというが、母親によって没収されていたのだった。二人は激しく求め合う。
原作者である妻の祖父母の実体験をもとに書かれている

原作者のニコラス・スパークスによれば、この原作は妻の祖父母の実体験をもとにして書かれています。その実体験を映画の随所でリアリティを感じることができるのがこの作品の特徴です。
とあるカップルの純愛にスポットをあてた今作は、現在と過去が交錯するかたちで描かれています。二人が出会ったのは、10代の頃です。ある夜、祭りに出かけたノアは友人同士で遊びにきていたアリーにひと目ぼれしていまいます。
そして、数日後に街で偶然再会するふたり。お互いを恋人として意識するようになります。
そんな恋物語をデュークと名乗る老人が、認知症のため記憶がほとんど保たない老女に根気よく聞かせる場面がこの映画では随所に挿入されています。
数ある恋愛映画の中で、今作が名作たる理由

今作に登場する恋愛の形は特別な関係ではなく、この映画の以前も以後も様々な形で映画化されてきた関係です。テーマだけ見ると決して目新しいものではありません。
にもかかわらず、この映画が「名作」と呼ばれているのはその演出の素晴らしさ、そして数々の名セリフにあります。
本当に素晴らしい映画だと思いますので、まだこの映画を見たことのない人はぜひ見ていただきたい映画です。一度でも誰かに恋をしたことがある人ならきっと共感していただけると思います。